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大阪家庭裁判所 昭和39年(少ハ)8号 決定 1964年6月18日

本人 T(昭一八・七・八生)

主文

少年を昭和三九年六月一二日から同年一二月一一日まで少年院に継続して収容することができる。

理由

一、少年は昭和三八年六月一二日恐喝保護事件により当裁判所において中等少年院送致の決定を受け浪速少年院に収容せられ、さらに昭和三九年三月一三日岡山少年院に移入されるにいたつたもので、その間昭和三八年七月八日満二〇歳に達し昭和三九年六月一一日をもつて少年院法一一条一項但書の収容期間を終了するところ、同年五月二三日岡山少年院長から収容継続の本申請がなされた。

二、岡山少年院分類保護課長守田泰二作成の収容継続申請意見書、大阪家庭裁判所調査官永田稔作成の調査報告書ならびに意見書、本件審判における少年院法務教官森田博の供述等を綜合して判断すると、少年は前記浪速少年院中に再三の反則行為(喫煙、暴行等)を起しており十分に矯正教育の効をあげていないこと、現在の処遇段階も退院させるに十分でないこと等の事実があり、結局犯罪的傾向は未矯正であるといわなければならない。

よつて、諸般の事情を考慮し、収容期間満了の日の翌日である昭和三九年六月一一日から同年一二月一一日まで引続き収容継続を認めるのが相当である。

三、適条

少年院法一一条四項、少年審判規則五五条

(裁判官 石井一正)

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